今回の情報は、財務分析のトピックスについてです。
財務分析については、私自身、現在、財務会計・管理会計・税務等の観点からコンサルをさせていただいていますが、この中で、昨今、注目されている指標等を紹介しますので、今後の対応等に活用願います。
キャッシュ・サイクル
これは、運転資金の余裕期間を表すもので、会社にとっては、短いほど資金に余裕があることになり、資金繰りも楽で、場合によっては運用等も図れるため、有利とされています。
具体的には、オペレーティングサイクルと呼ばれる(棚卸資産回転期間+売掛債権回転期間)の合計期間から、買入債務回転期間を控除した期間です。
例えば、大手スーパーなどは、基本的に現収であり、キャッシュ・サイクルがマイナスとなって、その運用益で儲けている、とまで言われたこともありました。
ROE(株主資本利益率)
これは、利益獲得のために投下資本がいかに効率的に運用されたかを見る代表的な指標であり、算定式は、表現どおり「当期純利益÷株主資本」となります。
日本は、欧米に比べ数値が低いといわれていますが、株主目線の指標として、昨今、注目されています。
中小法人にとっては、そもそも総資本を他人資本に依存していることも多く、あまり有用な指標とは言えないかもしれませんが、一般的に重要であるということは認識しておくべきでしょう。
FCF(フリーキャッシュフロー)
これは、名前のとおり、会社が「自由に使えるお金」ということです。算定式としては、いろいろ方法はあるようですが、一般的には、「税引後当期純利益+減価償却費-設備投資額±正味運転資本増減額」といわれています。
この点、昨今は、EVA(経済的付加価値)とともに企業価値算定のために用いられることもあり、財務分析としては重要な指標です。