今回の情報は、事前確定届出給与に関する相談事例です。
1. 事前確定届出給与の主なポイント(法34①二、令69②)
事前確定届出給与について、税務上のポイントを述べるとすれば、
- ①使用人兼務役員に対して、役員部分の給与を支給する場合には、届出要
- ②該当者がいる場合には、毎期届出要
- ③同族会社以外の法人(例えば、医療法人、協同組合、一般社団法人など)が、定期給与を支給しない役員に対して支給する給与については、届出不要
- ④届出事項と異なる場合には、原則として、支給した給与は全額損金不算入(基通9-2-14)
などがあげられます。
特に、④については、要注意事項ですので、以下に④に関する相談事例をひとつ紹介します。
2. 相談事例
「事前確定届出給与に関する届出書」に記載した「支給時期(年月日)」と異なる時期に支給した場合の損金算入の可否について
《回答に当たっての基本的な考え方》
- 事前確定届出給与とは、その役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与です。
- 事前確定届出給与の届出事項のひとつに、「事前確定届出給与の支給時期及び各支給時期における支給金額」が規定されています(規22の3①二)。
- 「事前確定届出給与に関する届出書」の様式には、付表の区分欄に「支給時期(年月日)」とあることから、具体的な年月日を記載する必要があります。
- 「事前確定届出給与に関する届出書」に記載した「支給時期(年月日)」と異なる時期に支給した場合には、たとえ1日ずれた場合であっても、支給額が異なる場合と同様、届出事項と異なることとなるため、原則として損金に算入できないものと考えます。